★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
緋色がカバンを手にして、左の袖で汗を拭いながら歩いていく

私はその背中を見つめていると、テーブルに座っていた後輩の女の子達がキャーキャー騒ぎながら緋色を目で追っていた…

もちろん、緋色は気づいてなんかいない

女の子達は楽しそうに話ながらふと私の方を見る

そして彼女達は、手のひらを返すようにいい顔をしなくなった



これで何度目か…

緋色はどこに行っても注目を浴びる

そして私は相応しくないという反応を受ける

一体いつになったらみんなに受け入れてもらえるのだろうか…

すごく美人じゃないとダメなのかな…

私はため息をついて課題を片付けた

カバンを持って立ち上がり、食堂を歩いていくと突然声をかけられた…

「スミマセン…」

「え?」

私は声の主を見て、言葉を失った…

「コンニチハ…」

あの美しくも醜い笑顔を作るその姿に、私の体は久しぶりに硬直してしまった

彼の斜め後ろに蒼湖の悲しそうな姿が見える

彼に強く向けられる視線の片隅でぼんやりと写る蒼湖は、ゆっくり口を開いた



『だから気を付けてって言ったのに…』






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