★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「はあ?」

「ううん、解るわけがないんだ…」

「何だよ…」

「私の一番の不幸が、『死』じゃないってあなたには解らないでしょうね…
人を愛したこともないんだから…」

「何?」

私は睨むように王子を見つめた

私は負けないよ

いつも思ってる

本当に怖いのは、他人なんかじゃない



『自分』だって…



「じゃあお前は、死より何が怖いって言うんだよ!?」



『死ぬことは怖くない…』


あの言葉が脳裏に甦る



「…緋色の死」

私はまっすぐ王子を見つめて口を開いた

私を不幸にするために、この人は緋色を殺すだろうか…?

私の中では『ノー』だ

王子はどこかで緋色に憧れている

この人はもう緋色に手を出さない予感があった

「寒河江緋色の死?」

「緋色がこの世にいなくなったら、私は一生悲しむ…一生苦しいと思う。」

「何で他人にそんな想いを持てるのか、気が知れないね…
人間なんていつか裏切るんだよ」

「そうかもしれないね…でも私は緋色を裏切ったりしない
そういう気持ちって大事なんじゃないの?」

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