★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
ヤバい…、私電源消してる…

着信音は王子のものだった

私は急いで自分の携帯の電源を入れた

そうだ、さっき授業始まるから消したんだ…



「もしもし………お父さん?」

電話の相手に王子は目を見開いた

その瞬間私の携帯まで鳴り出した

私が慌てて携帯を見ると緋色からだった…

ヤバい!!

「も…もしもし?」

「どこにいる!?」

電話口の緋色の声は震えていて、どうやら走っているようだった

「えっと…三階の奥の空き教室」

ブツッと電話が切れた

ヤバい…探していたんだ〜

怒られるよ


私は「はあ」とため息をついた


「な、何の用ですか…?」

王子が緊張した声を出している

ついつい緋色のお父さんを想像していた

何となく人の上に立つ人間は、それなりに威厳に溢れていて、厳しそうな雰囲気を持っているはずだから

「今は…大学に来ています…その…友人を訪ねて…」

友人?私の事!?

耳を疑った

きっと王子を見張っていた人が、お父さんに連絡してしまったんだ…

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