★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「え?…元気です…」

王子がひどく動揺していたし、私もその返事に驚く

私はつい何の話か気になってゆっくり近づいた

王子も聞かれることに抵抗はないみたいで、私の顔を見てもそのまま話続けた

『もう…変な薬とかで身体を悪くしないでくれ…』

「は、はい…すみません」

受話器から聞こえる声は、ひどく疲れているような年配の男の人だった

『お前には酷いことをしてしまったと思っている…』

王子の瞳が輝くのを、私は近くで見ていた

『親の都合で散々振り回して、傷つけてしまって…
どんなにお前の心が病んでいたか、事件になって気づくなんて…』

父親は悲痛な声をあげている

『すまなかったな…本当に…』

王子の瞳から、大きな涙がこぼれ落ちた

『いつもいつも、自分の罪をお前に責められるのが怖かった…
私が一番逃げていた…許されないことだ』

「父さ……」

王子が声にならない言葉を必死に伝えようとしていた

『頼むから、もう他人を傷つけるな!私を傷つけなさい。お前の罪は、俺が全て償うから…』

王子がその場に崩れ落ちて号泣した

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