★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
ああ、再生する…

私は幸せな気持ちで王子を見た

『蒼湖、大丈夫だったよ…。私は大丈夫』

ゆっくり目を閉じて、心の中で話した











「大丈夫か?」

慌てて入ってきた緋色は、泣き崩れてる王子を驚いて見ながら、私に近づいた

私は笑顔で頷いた

「何もないよ。王子の変化以外は」

緋色が不思議そうな顔をしたから、また私は笑った



王子に近づき、落ちたナイフを拾い上げて閉じ、私は自分のポケットに入れた


「もう見えた?あなたが進むべき未来」

「………」

王子は泣きながら顔を上げる

「今度こそ、行けるでしょ?」

私が笑った時、王子も泣きながらうなずいて笑った






遅れてきた太聞さんの部下の人と王子は教室を出ていく

「何かありましたか?」

「何も…。昔話をしただけです」

私も緋色もそう伝えた





なんだか、自分達の分身が眩しい世界へと飛び立っていくような感覚になりながら









私達は微笑んだ






もう振り向かないで…



行こう、私達と一緒に。










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