★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
わかる…

俺には親父の考えが手に取るようにわかる

そうだ、自分の闇に落ちていくと、俺を不幸にした人間は、かつて自分が好きだった人間に矛先が向くんだ

わかるよ、親父…

「俺は男を遠い地に飛ばし、断る操を何度も何度も誘い続けた…
だから、逃げられた。転勤や左遷ではなく、辞められた…そうなると、俺の手にはもう捕まえられなくなった」

「………」

「色んな手を使って探しては逃げられ、途方に暮れていたとき、楓さんから連絡が来た…操が亡くなったと」

叔母さん…

連絡してくれたんだ…


「そして、お前の存在を聞いた」

「俺?」

「そう。だから楓さんに連れてきてもらった…」



「そうなんだ…。でも叔母さんは、何で親父に連絡したんだろう?」

「さあな…俺がお前の父親だからか、お前を養ってやれるからか、どっちかだからかな」

確かに金持ちは金持ちだからな

これは、叔母さんにも聞いてみないとわからないな

俺は母親の足跡を探そうと考えていた

いつまでも、悪夢に悩まされるなんてごめんだから…


< 70 / 135 >

この作品をシェア

pagetop