★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「愛しているのは君だけだよ…」

誰かに囁く声が聞こえてくる…



騙されない…、これは夢だ…

胸が異常なざわつきを始めたけど、私は緋色を信じてる…

負けない

緋色は、私をちゃんと愛してくれている

震える手で玄関のノブを握り、グッと力を込めて開け放った


だけど目の前は!!!








バスルームに変わっていて、そこには血まみれに横たわった自分の姿があった



「イヤー!!止めて!!こんなの見たくない!!」


胸が苦しくなって、シャワーの蒸気を吸いながら嗚咽で苦しむ

どんなに泣き叫んだって、この過去は消えることなんかない!

どんなに他人を傷つけてしまったのか、今は嫌と言うほど思い知らされる

「たす…け…て、緋色…」

熱気と、苦しさで声が出ない…




「たすけて…、ここから…出して…」





「あ……い…」




遠くで誰かの声が聞こえてくる…



誰?


どんなに振り向きたくても、もう苦しくて力が出ない…


誰?



「あお…い」



「あおい…」



「碧依!!」



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