★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
ハッ


と気付いて目を開けると、緋色が目の前にいた

これは続き?

私はバスルームで緋色に起こされたんだろうか?

「大丈夫か?大分うなされていたぞ?」

「うなされてた?」

鈍い頭をゆっくり動かして、辺りを見回す…

そこはバスルームでも緋色の部屋でもない、きれいな和風の部屋だった

「ここ、どこだっけ?」

「叔母さんの旅館だよ…」

あぁ、北海道の…

そうだ、思い出した

二人で北海道に来ていたんだ…

「ただの風邪だって。さっきお医者さんに診てもらったのを覚えてるか?」

私はゆっくり首を振った

「なんか食べるか?お茶もあるし、果物ももらったから…」

頷いてゆっくり起き上がると、緋色がペットボトルのお茶を差し出してくれる

震える手で掴んで口に運んだ

スーッと冷たいものが身体に入って、やっと悪夢から解放されたことを実感する

怖かった…、嫌な夢だった

「大丈夫か?」

「緋色、もう寝たくないよ…」

「ああ、無理して寝なくても、横になってるだけでいいよ。俺はそばにいるから」

そう言って、私に氷枕をくれた

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