★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
カラン…コロンと氷が鳴るのを、心地よく感じていた

緋色はカットフルーツを冷蔵庫から出しに行っている

「緋色…」

「ん?」

緋色は前より髪だって短いし、ピアスだって一個だけ…髪色だって、落ち着いたブラウン。

もうあの頃とは違う

クスッと笑って「何でもない…」と答えた

前とは違う

大丈夫…

「変な奴…」

緋色がテーブルに座ったから、私も重い身体を起こして向かいに座った

「具合が悪い時ってあの時と同じ夢を見るの…」

「あの薬の?」

コクリと頷く

「怖いんだ…、私一人の世界に取り残されそうで…」

「は、そりゃあ残念だ」

突然バカにしたかのように緋色が笑う

「お前が取り残されるって事は、俺もそこにいるってことだから」

「緋色…」

「心配すんな。必ず目は覚めるんだから」

つまようじに刺したパイナップルを私に差し出してくれて、私はゆっくり掴んだ

夢は必ず覚める


私は現実に緋色を置いていった…




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