★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
ご飯も美味しく豪華にいただき、満足しながら歯を磨いていると、また横から痛い視線を感じていた

「何?」

「早く横になれよ」

「待ってよ!今終わるから」

コップでうがいをすると、緋色はささっと掛け布団を持ち上げた…


そこまでしなくても!!


「お前、大丈夫か?」

「うん、大分楽だよ」

「まず寝てろよ?」

「ちゃんと休みますよ!」

ったく、心配性なんだからっ!

「俺、出掛けてきても大丈夫か?」

「え?どこか行くの?」

「…母さんが最後に働いていた会社…
そこしか覚えてないから」

ああ、そっか…

「行ってきて!私は大丈夫だから。ごめんね、こんな時に一緒にいられなくて」

「いや、悪りぃな…。側にいてやりたいけど、時間が少ないから…」

「うん…そうだよ」

私が微笑むと、緋色は頭をぐしゃぐしゃと撫でる

「寝なくていいから、休めておけよ。出来るだけすぐ帰るから」

「うん。」



緋色はそれからしばらくして出掛けていった

私はテレビを消して、天井を見つめる

眠りたくない…



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