★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
でもまだ少し熱があるのと、お医者さんのお薬が合わさるとそうも言っていられず、私はまた眠りに落とされた








また学校だった…

でも今回は違う

窓の外を見るとみんなの表情が解る

私は独りぼっちの世界にいるわけではなかった

自分が今いる場所を考えると、行き先は解った

この廊下を真っ直ぐに行けば、社会科室がある



私がゆっくりドアを開けると、驚くべき人がそこにはいた





「やあ、いらっしゃい…蒼湖さん」

「せ、先生…」

懐かしい…

話し方も、柔らかい笑顔も、何も変わっていない

先生だ

「今日は寒河江君は一緒ではないのですか?」

「あ、緋色…どこにいるか解らなくて…」

不思議そうな表情を見せたけど、またにっこり笑う

「別々なんて珍しいですね…さあ、座って」

先生が立ち上がって戸棚の前に行く

私はソファにゆっくり座って回りを見渡した

この空気、温かさ…先生の作る空間だった



突然カラーンと音がして、先生を見る


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