★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
先生はうっかり紅茶の缶を落として、茶葉を床にこぼしていた

そうだ、先生って意外におっちょこちょいだった

つい顔を緩めてしまいながら、先生の隣に行って、ちりとりを手渡す

「いやいや、すみません…」

「いつもの事ですよ、先生」

「ははは」

先生も笑って、二人で茶葉を片付け、並んで座って紅茶を飲んだ

先生…懐かしい…

でも…

喉が痛くなって、涙が出そうになった

胸が痛い

先生…、先生…

「人には決められた運命というものがあります」

私は先生を向いた

「もちろん、選択は自分がするのですが、ある程度は決められている。動物は生も死も同じものと考えているんですよ」

先生…

「だから、受け入れましょう…辛いことも…また運命。」

先生が優しく微笑むから、また涙が出そうになる

「さて、寒河江君を探して来てくれませんか?ある定義について、彼の意見が聞きたいのです」

あ、先生と寒河江はよく言葉の解釈について討論をしていた…

本当に、仲が良かった

「はい、先生…」

私はゆっくり立ち上がって、白衣の先生をじっくり見つめた

「また来ます」

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