★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「はい。いつでも」

相変わらず優しい笑顔に癒され、私は目を閉じて踵を返した

学校に緋色の靴は無かった

マンションに行っても緋色はいない…

こんなに探してもいないなら、やっぱり私の夢の世界に、緋色は存在しないのか不安に襲われる

近所のスーパーや、アイスクリーム屋さんに行ってもいなくて、気がつけばあの運動場に来ていた

遊歩道を歩いて、一本の木がそびえ立つあの小高い丘まで歩く

ふと気づくと、ベンチには大きな麦わら帽子をかぶり、白い麻のワンピースを来た人が座っているのが見えたので、私は慌てて戻ろうとした

いつの間にか先約がいたことに気がつかなかったんだ…




「如月…蒼湖さん…?」




後ろから声をかけられ振り向いた

わ、私?



「如月蒼湖さんでしょ?こんにちは」

女の人はゆっくり立ち上がってにこやかな笑顔を作る

それはあまりにも美しい笑顔で…何となく…誰かに似ているような気が…

「こんにちは!」

「どうぞ、こちらに」

女の人は笑顔のまま、ベンチの隣に手を置いた

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