★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「…父親探しというよりは、あなたを探しています。緋色は、お母さんの痕跡を辿っていて…」

「10年以上一緒に居たのに、解らないのかしら?」

「え?」

「たった10年…されど10年。私は出来る限り緋色の側に居て、たくさんの事を教えてきたつもりだったのに、伝わっていなかったのかしらね…」

お母さんは寂しそうに俯いた

「お母さんの気持ちを知りたいんだと思いますよ…息子として…一人の男として」

「…そうね…」






「ねぇ、蒼湖ちゃん…あなたは許せる?好きだった人にあんな事をされて」

「あんな事…」

あの日、あの雨の日を脳裏に思い出した

「どんな気持ちだった?」

「わ、私は…裏切られた気持ちになりました…そして…悲しかったです。緋色のおもちゃなんだって、対等じゃないんだって思うことが…」

「そう…そんな時、優しくしてくれる男の人が現れたら、どう思う?」

優しい人?

山谷君…

薬さえ無ければ、彼は優しい人だった

いつも励ましてくれて、元気付けてくれた…



「嬉しかったです…落ち込んだ気持ちが、やっと浮き上がるような…」



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