★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「緋色のお母さんから、相手の人の話を聞いたことはありませんか?」

「ううん…、姉さんは『もう疲れた』って言っていたから、てっきり緋色の父親は三條さんだと思って何も聞かなかったの…」

「そうですか…」

「何も聞かなかった…、まさか三條さんじゃないかもしれないなんて…思いもよらなかった…」

「帰国した時に出来た恋人って…」

「逢坂さんね…、そうね、逢坂さんかもしれないわね」

おうさかさん…

初めて聞く名前に、段々真実が近くなってきたような気がして、心臓が早くなった

「逢坂さんって、今どうされているんですか?」

「多分、そのままなら三條グループの札幌支社にいるんじゃないかしらね…転勤していなければ」

札幌支社…

この北海道に…いるかもしれないんだ

緋色のお父さんかもしれない人…

「お母さんは、彼を追って北海道に来たって…」

「…………」

叔母さんが黙ってしまう

「どうかしら…。ここに来たときはすでに妊娠していたの…
それなら何故姉さんは、逢坂さんと結婚しなかったのかしら?」

< 95 / 135 >

この作品をシェア

pagetop