イルカ、恋うた
《6》
墓
野村巡査の奥さんが、少年の墓を参る、と伊藤弁護士から連絡を受ける。
ご主人の気にしていた少年かと思いきや、麻薬中毒で死んだ主犯格の方だと言う。
一体、どういうつもりなんだろう?
彼女は都下のある寺に、墓があることを突き止め、一足早く向かってた。
俺も直通した。
駅に着くと、伊藤弁護士が声をかけてくれ、二人でタクシーに乗った。
野村婦人は、一度少年の実家を訪ねると言い、先に行ったらしい。
一体、何を話す気なんだろう。
俺達は、寺に向かった。
この日は自分が警護の担当だったが、岩居さんに上手く言ってもらい、交代してもらった。
とりあえず、軽い体調不良での遅刻と言ったので、長居はできない。
野村婦人と、寺の前で再会できて、ホッとした。
あれ?と思った。
彼女の顔が、穏やかだったから。
そして、知ったことを教えてくれた。
「お母様は心労で亡くなって、お父様は深々と、頭をお下げになりました。主人とは面識があったそうです」
品すら感じられる、その落ち着いた微笑みに、尋ねたかった。
「どうして、彼を参ろうと?」
ご主人の気にしていた少年かと思いきや、麻薬中毒で死んだ主犯格の方だと言う。
一体、どういうつもりなんだろう?
彼女は都下のある寺に、墓があることを突き止め、一足早く向かってた。
俺も直通した。
駅に着くと、伊藤弁護士が声をかけてくれ、二人でタクシーに乗った。
野村婦人は、一度少年の実家を訪ねると言い、先に行ったらしい。
一体、何を話す気なんだろう。
俺達は、寺に向かった。
この日は自分が警護の担当だったが、岩居さんに上手く言ってもらい、交代してもらった。
とりあえず、軽い体調不良での遅刻と言ったので、長居はできない。
野村婦人と、寺の前で再会できて、ホッとした。
あれ?と思った。
彼女の顔が、穏やかだったから。
そして、知ったことを教えてくれた。
「お母様は心労で亡くなって、お父様は深々と、頭をお下げになりました。主人とは面識があったそうです」
品すら感じられる、その落ち着いた微笑みに、尋ねたかった。
「どうして、彼を参ろうと?」