イルカ、恋うた
「同窓会が最後の会話でしたね。その時、二人だけで話す機会がありました。

酒が入って、饒舌でした。それでも、会話するのは俺だけでしたが。アイツ、変なこと言いましたよ。

大した意味ないって思ったし、ガキの頃に嘘吐いて、人の気を引こうとする節がありましたから、成長しない奴だなぁって、考えただけで、作り話だと思いました」


彼は一息置いてから、その作り話を教えてくれた。


「確か、無罪じゃないのに、無罪になったことがある。お前なんかと違って、凄い経験しているんだ、って。何か関係あるんですか?」

「いえ、ありがとうございます」


と、伊藤弁護士と一緒に、会釈をした。


彼はまた心配そうにしながらも、そそくさと立ち去った。


「どう思いますか?」


俺は静かに問う。


伊藤弁護士は腕を組み、足元を見た。


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