イルカ、恋うた
どちらも、膨張したり、萎縮したりする。
上層部や検察官への、恐怖心と、野村巡査への尊敬の間で揺れるから、たちが悪い。
「……水島君は素直ですね。木田君もそう言ってました。“過ぎる”ともね。水島君は少しこのことに関して、休んだらどうですか?」
「え、でも……」
「優秀な刑事さんを失うのは、弁護士としても、一般市民としても怖いです。今はどうか知りませんが、下手したら、本当に監視が付くかもしれません」
納得してる自分が情けなかった。
だが、同時に伊藤弁護士の気持ちも嬉しかった。
「そうですね、少し離れます。でも、たまに報告はください。木田にもそう伝えてください。今は、資料整理に集中します」
敬礼すると、伊藤弁護士も片手を振り上げた。
それから、柔和に笑った。
「それもいいですが、美月ちゃんの傍にいてあげてください。今日も交代しちゃったんでしょう。
佐伯は頑固者です。一度、怒り出すとなかなかね。お見舞いはできるだけ、水島君が一緒がいいでしょう」
思わず、苦笑した。
だけど、素直に頷くことはできなかった。
上層部や検察官への、恐怖心と、野村巡査への尊敬の間で揺れるから、たちが悪い。
「……水島君は素直ですね。木田君もそう言ってました。“過ぎる”ともね。水島君は少しこのことに関して、休んだらどうですか?」
「え、でも……」
「優秀な刑事さんを失うのは、弁護士としても、一般市民としても怖いです。今はどうか知りませんが、下手したら、本当に監視が付くかもしれません」
納得してる自分が情けなかった。
だが、同時に伊藤弁護士の気持ちも嬉しかった。
「そうですね、少し離れます。でも、たまに報告はください。木田にもそう伝えてください。今は、資料整理に集中します」
敬礼すると、伊藤弁護士も片手を振り上げた。
それから、柔和に笑った。
「それもいいですが、美月ちゃんの傍にいてあげてください。今日も交代しちゃったんでしょう。
佐伯は頑固者です。一度、怒り出すとなかなかね。お見舞いはできるだけ、水島君が一緒がいいでしょう」
思わず、苦笑した。
だけど、素直に頷くことはできなかった。