イルカ、恋うた
花束を横に置いた美月は、空いた手を俺の頬に置いた。
「本当に、大丈夫?」
そんな彼女の背後に、桜井検事の姿を見た。
もちろん、幻覚。
自分はどこまで、卑屈になれるのか……
自虐的な思考に、混乱しそう。
白い手が心地よかった。
無意識にその手を取り、恥ずかしげもなく、唇を当てた。
「へ?……り、りゅう…すけ?」
彼女の上がる体温を、その手に感じ取った。
俺は今度は、美月の顎に手を置いた。
「ちょ、ちょっと待って。門の前におまわりさんが……」
「大丈夫だよ。椅子で見えない。目閉じて」
「う、うん……」
だが、その時、不意にクラクションが鳴る。
幻覚でも、現実でも会いたくない人物が歩いてきた。
「おはよう、美月」
「お兄ちゃん……」
美月の顔は赤くなるどころか、白さを増した。
「今日は僕も行くよ」
桜井検事は微笑み、美月を連れていくのかと思えば、そのまま俺の車に乗せてた。
俺は露骨に眉間に皺を寄せ、桜井検事を見てた。
すると、彼は平然と微笑む。
「僕は君の監視に来たんだよ」
「え?」
俺は耳を疑った。
「本当に、大丈夫?」
そんな彼女の背後に、桜井検事の姿を見た。
もちろん、幻覚。
自分はどこまで、卑屈になれるのか……
自虐的な思考に、混乱しそう。
白い手が心地よかった。
無意識にその手を取り、恥ずかしげもなく、唇を当てた。
「へ?……り、りゅう…すけ?」
彼女の上がる体温を、その手に感じ取った。
俺は今度は、美月の顎に手を置いた。
「ちょ、ちょっと待って。門の前におまわりさんが……」
「大丈夫だよ。椅子で見えない。目閉じて」
「う、うん……」
だが、その時、不意にクラクションが鳴る。
幻覚でも、現実でも会いたくない人物が歩いてきた。
「おはよう、美月」
「お兄ちゃん……」
美月の顔は赤くなるどころか、白さを増した。
「今日は僕も行くよ」
桜井検事は微笑み、美月を連れていくのかと思えば、そのまま俺の車に乗せてた。
俺は露骨に眉間に皺を寄せ、桜井検事を見てた。
すると、彼は平然と微笑む。
「僕は君の監視に来たんだよ」
「え?」
俺は耳を疑った。