イルカ、恋うた

約束

『三倉サブ、口割らず。その上、背広の男性数人と密会している模様。大方、警察側の人間だろう。

俺達と会った後、密かに連絡したようだ。証言は聞けなくなったが、警察関係者が、関わっていることは確か。やはり、偽証では?と考えてしまう。

あと、初公判では否定していた首領の教唆。三回目で翻したのは、当時は頻繁にあった心理的拷問が原因では、と伊藤さんが言った。

拘置所に一度戻って、接見した時、証言を変えません、と宣言したが、目も合わさず。

きっと、彼自身恐怖感与えられるようなことがあったんだ。

やはり、本物の調書が見たい。警察が破棄しても、佐伯検事正なら保管していそうだが……ほのめかすような話をしてないか?』


今朝、木田から来たメールを読み、憂鬱になった。


覚悟はそれなりにしていたはずだが、やはり検事正に行き当たってしまったようだ。


――ずっと、傍にいてくれる?


彼女の声が耳に響く。


もしかしたら、美月の方が、自分といたくなくなる状況を招くかもしれない。


本庁の三係長、桜井検事の言動。当時、裁判前まで、接見禁止を発動させた、佐伯検事正。


ほのめかすような話、するわけないだろう。

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