イルカ、恋うた
「では、失礼します」と力強い、敬礼をした。


ドアノブに手をかけた時に、最後の質問をされた。


「美月が好きか?」


今度こそ答えろ、と付け加えた。


もう迷いはなかった。


「僕は彼女を愛しています」


怒られるかとも覚悟したのに、彼は失笑した。


「……お前さんを見ていると、いつか見た少年の瞳を思い出すよ。なぜ、美月があんななついたか知らんが、今なら理解できるかもしれないな」





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