イルカ、恋うた
混乱しながらも、銃を見つけ、好奇心もあったのか、自分でも分からないけど、持っていってしまった、と供述。
ある時、誰かが二人が逆の罪だったらいいのに、と誰かがぼやいた。
二人とは、この少年と、暴行の疑いで引っ張ってきた御崎である。
彼は、曾流会のことも吐かないかと期待してたが、それに関しては、黙秘し続けた。
その誰かのぼやきに、こともあろうか、当時の本庁捜査一課の課長が、謀策を立てた。それは君らの推理通り。報告書を見ればいい。
少年には、暴行より軽いひったくりの嫌疑もあり、そちらで起訴してやると。
身内が殺害された場合、刑事というものは、それこそ犯人を許さず、何がなんでも逮捕する。
なのに、今回はあっさりと、折れてしまった。あの曾流会の首領を引きずり落とせるという誘惑に負けた。
誰一人、少年達のことも、野村巡査のことも考えてなどいなかった。
少年犯罪解決よりずっと、犯罪組織を潰す方が、点になるし、世間的にも評価されると、彼らは考えていた。
捜査検事もそうだった。私はそれを黙認した。当時の検事正も。
あの頃の警視監と次長検事と深く親交があった。
ある時、誰かが二人が逆の罪だったらいいのに、と誰かがぼやいた。
二人とは、この少年と、暴行の疑いで引っ張ってきた御崎である。
彼は、曾流会のことも吐かないかと期待してたが、それに関しては、黙秘し続けた。
その誰かのぼやきに、こともあろうか、当時の本庁捜査一課の課長が、謀策を立てた。それは君らの推理通り。報告書を見ればいい。
少年には、暴行より軽いひったくりの嫌疑もあり、そちらで起訴してやると。
身内が殺害された場合、刑事というものは、それこそ犯人を許さず、何がなんでも逮捕する。
なのに、今回はあっさりと、折れてしまった。あの曾流会の首領を引きずり落とせるという誘惑に負けた。
誰一人、少年達のことも、野村巡査のことも考えてなどいなかった。
少年犯罪解決よりずっと、犯罪組織を潰す方が、点になるし、世間的にも評価されると、彼らは考えていた。
捜査検事もそうだった。私はそれを黙認した。当時の検事正も。
あの頃の警視監と次長検事と深く親交があった。