イルカ、恋うた
または、犯人が二人で、前方と歩道側に立ってた。


ただ、銃の弾から見れば、マグナムのみ。


なかなか高価なもんだ。まさか二本も用意するとは思えない。


だけど、その“まさか”もありえないわけではない。


仲間がいるなら、また捜査だ。


デスクに着きながら、俺はそんなことを考えてた。


「……おい、何を考えてる?」


と岩居さんが訊く。


「いえ、別に……」


「この事件は、本庁が解決するさ。お前はあの子のことを考えてやったらどうだ?

今日、最後の警護に行ったら、食事に誘われたよ。ありがとうございました、って。

それで、留学のこと聞いたんだ。もう、明日だろ?どうすんだ、お前?

実は、送ってあげるって言ったんだ。代わってやるから、行って来いよ」


「いえ、結構です」


俺は即答した。




この日は、伊藤弁護士に会ってから、昨夜帰宅した。


日差しに目をくらまされたが、未だベッドから起きれずにいた。


二度寝をしても大丈夫か、等とくだらないことで悩んだりした。


通学中の子どもの声が聞こえた。


前に病院で、子どもの声で佐伯氏は、娘の幼い頃を思い出してた。


自分は、水族館を思い浮かべていた。


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