イルカ、恋うた
『竜介、いいか!?あのな、今回捕まった奴の親父が、不動産屋を経営しているんだ。
そいつが過去に、不法滞在者や、逃亡中の被疑者を匿うアパートを陰で所有していたことがあった。
過保護な親父でさ、コイツが息子ほったらかすとは思えなかったから、何かあるんじゃないかと考えたんだ。
それで、調べてみたら、この不動産屋が所有しながら、廃墟状態にしてあるアパートがあった』
彼はそのアパートにいるらしい。
俺は黙って、彼の話を聞くことにした。
『今、ある一部屋に入ったんだけど。
壁一面に……佐伯検事正と、お嬢さんの写真と経歴の書かれた紙が、びっしり貼られている。
この部屋の住民、お嬢さんはまだ桜井検事の婚約者だと思っている。だけど、留学のことは知っていやがる』
「え?」
日記があったらしく、岩居さんはそこから得たことを、予想を交えて話す。
『あの銃は、御崎の弟がかつて仲間だった組員を通じて得たもので、逮捕された男はその弟から、憂さ晴らしでちょっとした悪戯をしよう、と誘われたようだ』
そいつが過去に、不法滞在者や、逃亡中の被疑者を匿うアパートを陰で所有していたことがあった。
過保護な親父でさ、コイツが息子ほったらかすとは思えなかったから、何かあるんじゃないかと考えたんだ。
それで、調べてみたら、この不動産屋が所有しながら、廃墟状態にしてあるアパートがあった』
彼はそのアパートにいるらしい。
俺は黙って、彼の話を聞くことにした。
『今、ある一部屋に入ったんだけど。
壁一面に……佐伯検事正と、お嬢さんの写真と経歴の書かれた紙が、びっしり貼られている。
この部屋の住民、お嬢さんはまだ桜井検事の婚約者だと思っている。だけど、留学のことは知っていやがる』
「え?」
日記があったらしく、岩居さんはそこから得たことを、予想を交えて話す。
『あの銃は、御崎の弟がかつて仲間だった組員を通じて得たもので、逮捕された男はその弟から、憂さ晴らしでちょっとした悪戯をしよう、と誘われたようだ』