イルカ、恋うた
いや、どこにいるの!?
と叫んだところで、目を覚ました。
白い部屋がやけに、悲愴感を際立たせた。
「どこ……?」と呟くと、傍にいた車椅子の父が、「病院だ」と教える。
「違う、違うの!」
美月は起き上がり、ベッドから下りようとする。
それを佐伯が押さえる。
「やだぁ!どこにいるの!?どこにもいないの!!彼も、あの子達も……どこにもいないのぉ!!」
暴れる娘を、父は必死で受け止める。
看護師と医師が駆けつけ、鎮静剤を打つと、彼女をベッドに戻した。
――翌日
美月は一言も喋らず、虚脱感から呆然としていた。
ノックの後、ゆっくりと男性が入ってきた。
顔すら上げない彼女の手の上に、手紙のついた包みを置いた。
この紳士は最後に言い残し、部屋を後にした。
「美月ちゃんがイギリスに行く前日に、彼が私に預けたんです。
自分で渡すなら、君が帰国する時か、または会いに行く日が来たらか。
もしくは私に頼むか、かなり迷ってたみたいで……。
とりあえず、預かっててくれ、と。彼、笑顔でした」
美月はぼんやりと聞いていた。
この紳士が出ると、水色の包装紙に上に置いてあった、白い封筒を開けた。
と叫んだところで、目を覚ました。
白い部屋がやけに、悲愴感を際立たせた。
「どこ……?」と呟くと、傍にいた車椅子の父が、「病院だ」と教える。
「違う、違うの!」
美月は起き上がり、ベッドから下りようとする。
それを佐伯が押さえる。
「やだぁ!どこにいるの!?どこにもいないの!!彼も、あの子達も……どこにもいないのぉ!!」
暴れる娘を、父は必死で受け止める。
看護師と医師が駆けつけ、鎮静剤を打つと、彼女をベッドに戻した。
――翌日
美月は一言も喋らず、虚脱感から呆然としていた。
ノックの後、ゆっくりと男性が入ってきた。
顔すら上げない彼女の手の上に、手紙のついた包みを置いた。
この紳士は最後に言い残し、部屋を後にした。
「美月ちゃんがイギリスに行く前日に、彼が私に預けたんです。
自分で渡すなら、君が帰国する時か、または会いに行く日が来たらか。
もしくは私に頼むか、かなり迷ってたみたいで……。
とりあえず、預かっててくれ、と。彼、笑顔でした」
美月はぼんやりと聞いていた。
この紳士が出ると、水色の包装紙に上に置いてあった、白い封筒を開けた。