イルカ、恋うた
彼女は何も言わない。
「会いに行くし、たまに帰ってきてくれるんだろ?永遠の別れじゃない」
「……浮気しない?」
「しないよ。君こそ、変な奴についていくなよ」
「うん」
美月はようやく、顔を上げる。
その前髪を撫でながら、彼は言う。
「再会まで、十三年。一、二年なんてあっという間だよ」
彼女はまだ、不安げだった。
「絶対、無理しないで。竜介、死んだら、私も死ぬから……!」
「大丈夫だよ。俺は君の為に生きるから。君のお母さんと、約束したから……」
そう誓うと、竜介は彼女にキスをした。
「愛してる。ずっと、君の傍にいる。離れても、心がね」
美月はようやく、微笑む。
「うん、私も」
――愛してる。
それこそが、イルカの詩―…
かつて、子どもだった二人は、永遠を誓った。
《完》
「会いに行くし、たまに帰ってきてくれるんだろ?永遠の別れじゃない」
「……浮気しない?」
「しないよ。君こそ、変な奴についていくなよ」
「うん」
美月はようやく、顔を上げる。
その前髪を撫でながら、彼は言う。
「再会まで、十三年。一、二年なんてあっという間だよ」
彼女はまだ、不安げだった。
「絶対、無理しないで。竜介、死んだら、私も死ぬから……!」
「大丈夫だよ。俺は君の為に生きるから。君のお母さんと、約束したから……」
そう誓うと、竜介は彼女にキスをした。
「愛してる。ずっと、君の傍にいる。離れても、心がね」
美月はようやく、微笑む。
「うん、私も」
――愛してる。
それこそが、イルカの詩―…
かつて、子どもだった二人は、永遠を誓った。
《完》