イルカ、恋うた
桜井検事は見計らったかのように、彼女の手を掴んだ。


「いや、いやだ。竜介、竜介……!」


引っ張られながら、美月は何度も俺を呼ぶ。


情けないことに、反応できずに、立ち尽くしてた。


離ればなれになりながら、二頭のイルカが、俺の頭の中で泳ぎ回ってた。
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