イルカ、恋うた
だけど、父さんの死に目に会えなかった。
その苦痛が、心を狭くする。
「りゅ、すけは……やさ…しいもん……」
口調がたどたどしい。
眠気に襲われてるよう。
ベッドにまた、彼女の身体を戻した。
美月は目を擦る。
「ほら、眠って」
「りゅす、け……帰っちゃ、う……」
「眠るまで、ここにいるから」
彼女はしぶしぶ、横になった。
「あのね、破れたシャツ……見られたくないから…捨てて…」
「分かった」
「あとね…」
「うん」
「眠ったら、キスして……」
俺は思わず、苦笑した。
「眠ったら?意味ないじゃん」
「だって、不安なの。また、会える?」
「……うん」
「じゃ、キス……してから……帰って……」
うとうとしてる。
このまま寝ると思った。
その後なら、しなくても嘘吐けるとも考えた。
「いいよ」
安心したように、微笑むと目を閉じ、寝息を立てた。
何もしないで、このまま部屋を出るつもりだった。
だけど……
無垢な寝顔を見ていたら、泣き顔まで思い出して……
――泣かないで
その苦痛が、心を狭くする。
「りゅ、すけは……やさ…しいもん……」
口調がたどたどしい。
眠気に襲われてるよう。
ベッドにまた、彼女の身体を戻した。
美月は目を擦る。
「ほら、眠って」
「りゅす、け……帰っちゃ、う……」
「眠るまで、ここにいるから」
彼女はしぶしぶ、横になった。
「あのね、破れたシャツ……見られたくないから…捨てて…」
「分かった」
「あとね…」
「うん」
「眠ったら、キスして……」
俺は思わず、苦笑した。
「眠ったら?意味ないじゃん」
「だって、不安なの。また、会える?」
「……うん」
「じゃ、キス……してから……帰って……」
うとうとしてる。
このまま寝ると思った。
その後なら、しなくても嘘吐けるとも考えた。
「いいよ」
安心したように、微笑むと目を閉じ、寝息を立てた。
何もしないで、このまま部屋を出るつもりだった。
だけど……
無垢な寝顔を見ていたら、泣き顔まで思い出して……
――泣かないで