イルカ、恋うた
愕然と言葉を失った俺に、自分が外されていた間に、美月から聞いた話を、教えてくれた。
結納の前に、桜井検事と、その両親との食事会のようなものに呼ばれた。
ちなみに、彼はあの時のことを、両親には言っていないし、この日は美月と目も合わさなかったらしい。
その様子を、両親は不思議がってはいたが、結納や結婚の話題を振った。
すると、美月は頭を下げた。
要予約の個室の料亭だったため、彼女は手をついて。
「私は結婚できません」と。
相手は、「もちろん、お父さんの回復を待つよ」と言った。
すると、彼女は佐伯検事正のことを考え、ためらったが、自分の意志を伝えることにした。
「何と責められても仕方ありません。反論もいたしません。
でも、自分の気持ちには、嘘は吐けません。桜井さんは素敵な方です。私には勿体無いくらいのお方です。
しかしながら、私にとっては素敵なお兄様で、それ以上の関係にはなり得ませんでした」
申し訳ありません、と畳に額を押しつけるほど、頭を下げた。
横にいた、桜井検事が彼女を起こそうとしたが、美月は体勢を戻さなかった。
結納の前に、桜井検事と、その両親との食事会のようなものに呼ばれた。
ちなみに、彼はあの時のことを、両親には言っていないし、この日は美月と目も合わさなかったらしい。
その様子を、両親は不思議がってはいたが、結納や結婚の話題を振った。
すると、美月は頭を下げた。
要予約の個室の料亭だったため、彼女は手をついて。
「私は結婚できません」と。
相手は、「もちろん、お父さんの回復を待つよ」と言った。
すると、彼女は佐伯検事正のことを考え、ためらったが、自分の意志を伝えることにした。
「何と責められても仕方ありません。反論もいたしません。
でも、自分の気持ちには、嘘は吐けません。桜井さんは素敵な方です。私には勿体無いくらいのお方です。
しかしながら、私にとっては素敵なお兄様で、それ以上の関係にはなり得ませんでした」
申し訳ありません、と畳に額を押しつけるほど、頭を下げた。
横にいた、桜井検事が彼女を起こそうとしたが、美月は体勢を戻さなかった。