溺愛依存~極上御曹司は住み込み秘書を所望する~【番外編】
給湯室でコーヒーを入れると、専務室に向かう。
「失礼します」
ドアをノックして中に入り、デスクの上にコーヒーを置いた。
「どうぞ」
「ありがとう。これ、秘書室へお土産」
差し出された紙袋を受け取る。
「ありがとうございます。後で配りに行ってきますね」
「うん、よろしく。菜々子へのお土産は家に帰ってから渡すから」
「ありがとう」
いったい、なにを買ってきてくれたのか期待に胸を膨らませながら、デスクを挟んで微笑み合った。すると拓海さんがイスから立ち上がり、私の前まで移動して来る。
「会いたかったよ、菜々子」
拓海さんの長くて綺麗な指が、左薬指に光るエンゲージリングに触れた。