俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「……論くんっていい子だね」
「まあ……いい奴であることは認める」
不愉快だけどねっ。そのとき、スマホを見ていた水都ちゃんが声をあげた。
「あ、羽咲ちゃん総真くん。母様が近くまで買い物に来てるって連絡あったから、母様と一緒に帰るね」
「あ、そうなの?」
「うん。総真くん、ありがとうございました」
「いえいえ。気をつけてな?」
「水都ちゃん、また明日ね」
「うん。じゃねっ」
水都ちゃんと別れて、総真くんのおうちの方へ向かう。
一瞬水都ちゃん、私たちを二人きりにするためにあんなこと言ったのかな? とも思ったけど、水都ちゃんはそういうことはしない子だ。
本当にお母さんがいたんだろう。
総真くんと並んで歩いて、改めて背が高いなー、なんて思ってみる。
「やっぱり、友達といるときのうーっていつもと違うね」
うん?