俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
『眠れないか?』
想が、僕らの枕元に膝をついた。
この日、想も美結も家にいた。咲雪さんの傍には琴さんがいたはずだ。
『今うーが寝たとこ』
僕が小声で教える。由羽の服を掴んだままのうーからは寝息が聞こえていた。
『そっか。由羽も寝にくいかもしれないけど、目をつぶってるだけでもしてるんだよ?』
『はい』
『……うん』
想が両手を伸ばして、僕と由羽の頭を撫でた。
『想?』
『お前たち、羽咲のためによく頑張ってる。えらいよ』
僕がうーのために頑張るのは当たり前だ。褒められるようなことじゃない。
でも、その言葉は由羽には大きかったのか……
『俺、もう寝ます。おやすみなさい』
……由羽はそう言って、腕で顔を隠した。
想は、ぽん、と軽く僕らを頭をたたいた。
それから数日して、晃さんと咲雪さんが、由羽とうーを迎えに来た。
二人の約束通り、大きな『おかえり!』の言葉で。