俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
玄関を飛び出した二人を、晃さんと咲雪さんが抱き留めた。
晃さんも咲雪さんも少し痩せてしまったように見えたけど、しっかり、由羽とうーを抱きしめていた。
……それから毎年、四人で咲羽に逢いに行っている。
ああ、思い出せばわかった。
僕がうーを『妹』というふうに見ている理由――原因は、あの日の自分の言葉かもしれない。
兄としてうーを助けた由羽が、羨ましくて、僕もうーの『何か』になりたくて。
うーが大事な理由を自分の中に求めた。
幼い自分では想のように、『うーだから』という言葉は見つけられなかった……。
うーは僕に告白してくれた。告白してくれたのが『うーだから』、僕は返せる答えを見つけたかったんだ。
なのに、いま少し、もう少し……この時間を。
うーとの曖昧な関係を壊すのが、怖いと怯えている心もある。
不安だから。
僕は、うーを幸せに出来るだろうか。
咲雪さんにように、琴さんのように、玲菜さんのように。凛さん……はあまり逢わないからわかんないけど。
……それから、美結のように。