俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「……失礼ですけど、怪我とか火傷でも……?」
痕が残ってしまったのかな……。
少し迷ったけど、絶対に触れてほしくないことを自分から言わない、かな……? と思って、千波さんに訊き返していた。
「ううん、生まれつきなの。で、那也のことだよね? んーと、那也はねえ……」
「はい……っ」
お兄ちゃんの好きな人ってことは、私の姉にもなる人だ。
ドキドキしながら続きを待っていると――
「剣道が強い」
「武道の話で盛り上がれそうですっ」
「カッコいい系美人」
「憧れます!」
「姉気質」
「お姉さん!」
「あと――」
「はいっ」
「にぶい」
「に――ぶい?」
鈍い、かな?
「うん。恋愛関係には疎くて、おう――司くんに好かれてるのもわかってないと思う」