俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
今日はあたたかい日差しだ。
腕まくりしたシャツに、細身のパンツ。ボディバッグを背中に、アクセサリーの類と言えば腕時計くらいだけど、とても上品で爽やか。
総真くんは想さんに似て、真顔だとかなりのクール系に見える。
冷たそうと言われることもあるくらい。
それが一度にこぉっとすれば、天然魔性はかくあるべきか……! というくらい人たらしになる。
唯浜、この前秒で落ちてたし。
「うー? 何してんの?」
案内板の影に隠れて総真くんを見ていたら、いつの間にか目の前に総真くんがいた。
「はい! ただいま参りました!」
ビシッと敬礼を決めると、総真くんはくしゃっと笑った。
「うん。じゃあ行こっか」
「はい!」
そして直後に右手と右足が同時に出るというお粗末を起こした。
「うー、大丈夫?」
「だ、だいじょうぶ……」
思わずコケそうになると、総真くんが腕を出してつかまらせてくれた。王子か!
「はい、うー」
「? はい」