俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
顔を真っ赤にして手うちわをする私を、心配そうな顔で見て来る総真くん。「あついねー」とか誤魔化しで言ってみる。総真くんは「だねー」と応じてくれた。
電車には乗らずに駅から離れて、商店が何軒が並んでいる道を歩いていると、総真くんの握った手に力が入った。
「うー……ほんとは今日、ほかにも誰かいた方がよかった?」
「えっ? なんでっ?」
「……さっきからうー、死んじゃうようなこと言ってるから……俺と二人はいやだったかな、って……」
そう言って、私を見て来た総真くんは哀しそうな目をしていた。
――私が総真くんにそんな顔をさせていいわけがない!
「ち、違うよ! そんなんじゃないよ! あのね、言うならね? 私、総真くんが大好き過ぎて、総真くんが尊すぎて、総真くんと一緒にいると心臓が、もう死んじゃうんじゃないかってくらいドキドキしてね? 総真くんと二人っきりでいられるなんて幸せ過ぎて死んじゃうんじゃないかってくらいって意味なの! だから総真くんが悪いとか、一緒にいるのが嫌とかじゃないから!」
一気にまくしたてると、総真くんはぽかんとしてしまった。
それから薄く口を開いた。
「………とうとい……?」