俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
私の答えに、総真くんは愕然とした顔になった。
「しゃべる⁉ 俺、うーと喋ることも出来ない時期とかあったの⁉」
「……反抗期?」
「うーの年頃なら肯けるけど、家族にじゃなくて俺に反抗するの?」
「理由なき反抗」
「むしろカッコよく聞こえるよ」
いや、本当に総真くんとは、喋ることしか耐えられない時期はあったよ。
総真くんが大好き過ぎて、私なんかが近寄っていいわけない、って。
だから……うああああ! 今頃ドキドキしてきた! 心臓がさく裂する!
総真くん……私が欲しい答えだと思う、って言ったよね? 言ったよね? 聞き間違えや幻聴じゃないよね⁉
「う、うー?」
「なに?」
「あ、喋ってくれるんだ……」
胸を手を当てた総真くんはほっとしたように息をついた。
……喋るしか出来なかったのは事実だけど、そこまで驚かなくても……。
「俺、うーに嫌われたら生きていけなくなるってわかってるから」