俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「………?」
嫌われたら生きていけなくなるのは私の方では?
そう言おうとしたけど、総真くんの顔が真剣で、言い返す言葉を飲み込んでしまった。
継ぐ言葉に迷っているうちに、総真くんが先に言った。
「あ、なんか重くなってごめんね? あの人が出て来るからヘンな感じにしちゃったね」
「あ、ううん……」
「もう少し歩く? 休憩でもいいけど」
「あ、じゃあ……」
ベンチに座ったまま、かばんから袋取り出す。さっき買ったやつだ。
両手で持って、総真くんに差し出す。
「あのね、今日のお礼……って言えるほどいいものでもないんだけど、さっきお店のウィンドウ越しに見て、総真くんっぽいなって思ったの。今日はありがとうって意味で、受け取ってください」