俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
総真くんは一瞬ぽかんとしたあと、目じりをゆるめた。
「俺もね、うーへのご褒美って思って用意してたんだ。……はい」
そう言って、鞄の中から小さな包みを取り出した。
「私がもらっちゃっていいの?」
「うん。うー、うちの高校目指してるって言ってくれてるだろ? うーが来てくれたら俺も嬉しいから、テストもその通り道。ちゃんと、頑張ったねって伝えたくて」
あう……あう、目から滝どころじゃないよぅ~っ。でも、腕で思いっきり拭って、総真くんと包みを交換した。
「開けていい?」
「うんっ! 私もいい?」
「もちろん」
身体をななめにして、少し向かい合った状態のまま封を切った。
あ……。
「「おんなじの」」
同時につぶやいて、その直後、お互いを見てしまった。
総真くんもびっくりした顔をしている。
似た大きさだけど違うみから出てきたのは、私の方はうさぎと桜のチャームがついたシャーペンで、総真くんの方は同じうさぎと剣(日本刀?)のマスコットのストラップだった。
さっき見たお店では、このうさぎはシリーズものらしく、色んなモチーフとコラボしたお品があった。
なんでうさぎと剣が総真くんっぽいなかって思ったって言うと、うさぎはお月さまに直結して、総真くんのお月さまみたいな優しい光と、剣はまさしく総真くんの鋭さだなって思ったから。