俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「自分で言うのも難だけど、俺、うーに対して異常なんだよ?」
「………」
異常なのは私の方では……お兄ちゃんにもお父さんにもストーカー扱いされてるくらいだよ。
「そんなことないと思うけど……」
「ううん。俺……や、ごめん。今言うことじゃなかった」
視線を下げた総真くんは、ひとつ頭(かぶり)を振った。
「俺、うーが好きになってくれるほどいい奴でもないし、優しいわけでもないんだよ」
「でも、私は総真くんが大好きだよ? 生まれた時から」
「生まれた時って……」
苦笑いを浮かべて、続く言葉はなかった。
「生まれた時だよ。『私』が生まれたのは、総真くんを見た時だって思ってる」
「……俺?」
「うん。だから、私の大好きな総真くんを、誰にも否定されたくないよ。総真くん本人にだって」
そう伝えると、総真くんは目元を和ませて、「そうだね」と答えてくれた。