俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「そろそろ帰ろっか」
「うん」
今度は、手はつながなかった。
でも、今日一日のたくさんの幸せを抱きしめて、家まで送ってくれた総真くんに思いっきり手を振った。
ありがとう。やっぱりやっぱり大好きだよ、って想いをこめて。
総真くん、何かに悩んでいるみたいだった。
それを話してくれないってことは、私が関わっていいことじゃないってことなんだろう。
総真くんの力になりたいとは思うけど、総真くんが望まないなら、無理に突き進むことはしたくない。
部屋に駆け上がって、今日もらったシャーペンを、机に敷いた一番お気に入りのハンカチの上に置いて、送ってもらった写真も開く。
ふああ……顔がとける……にやける……。
総真くん、ありがとう、大好き……。