俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
嘆息混じりな玲に、会長はまた抱き付いた。
玲はうめいた。
「俺の友達で総真の怖さわかってくれる奴いないんだよお! みんな、あんないい子って言うんだよ! ってかクラスでもお前しかわかんないんじゃない⁉」
「……かもしれませんね」
呆れながらも無視したりしない玲。
あと、僕の怖さってなに?
「玲は怖くないの⁉ いくら幼馴染だからって!」
「あー、今更というか……昔こいつの父親も、俺の父親の足壊した人停学に追い込みましたから」
「こわっ! 親子揃って怖!」
「だから会長も、何で脅されたか知りませんけど、停学までいかなくてよかったですね」
「そうかもしれませんね!」
うあーん、と更に泣き声を増す会長。
……いい加減うるさくなってきた。
「会長、そろそろ玲、離した方がいいですよ」
「な、なんだよ! まだなんかあんのか⁉」
「じゃなくて」
僕はちらっと、会長と玲の方をこそこそ見ている同級生や、騒ぎを聞きつけて来た上級生たちを見た。