俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
コソコソ風に話してるのは会長だけだけど、それが一層女子の疑惑を増してる気もするけど、ま、いっか。
女子――いわゆる腐女子さんに好奇の目で見られることには慣れている。
玲とは学校もずっと同じだからほとんど一緒にいるし、由羽や景とつるむことも多い。
まあ、ご自由にどうぞって感じだ。
僕には、僕が守るべきうーがいるから、あまり気にならない。
「でも総真。羽咲ちゃんに近づいたから排除って、あの子はいいの? 羽咲ちゃんや水都ちゃんと一緒にカフェ来てた子」
玲に言われて、その存在を思い出す。
「え、なになに、誰の話?」
「あんたの心臓は玉鋼ですか」
さっきまで玲に泣いて助けを求めてた人が、脅した相手の話に食いついてきたよ。
「論くんは無害」
「ろんくん?」
「そうか? あの子、明らかに……」
「ねー玲哉、ろんくんってだれ――」
「「少し静かにしてもらえます?」」
僕と玲に同時に、冷ややかに言われた会長はひゃっと肩を跳ねさせてから、握ったこぶしをわなわなさせ出して――
「会長を邪険にする奴らは仕事たくさん回されるんだからな――――‼」
……と、職権乱用も甚だしい捨て台詞を残して上階へ駆けて行った。
「……疲れる」
がくっと玲が肩を落とす。
「ごめん」
「わかってるならいいよ。で? 唯浜くんは羽咲ちゃんの傍にいてもいいんだ?」