俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「うん」

論くん。唯浜論くん。

……うーのことを好きな、うーのクラスメイト。

「唯浜くん程度なら眼中にねえよ、って?」

玲が、今度は窓枠によりかかってにやにやしてきた。

「まさか。うーを好きになる奴は全部敵視してる。でも、論くんは例外。論くんは……いい子って言うか、うーにとって、いい存在だと思ってる」

僕の答えに、玲は中空を見つめてから口を開いた。

「羽咲ちゃんにいい影響与えてるから、羽咲ちゃんのことを好きでも排除しないってこと?」

「ちょっと違う。論くんは排除する必要がない。最初から、俺のいる場所まで来ようとか、考えてない感じだった。俺と同じ意味でうーが大事だけど、俺とは違う方法でうーを大事にするんじゃないかな、って」

うまく言い表せないけど、論くんはうーの傍にいていいと思う。

うーの傍にいる人なんて、本来うーが決めることだから、とんだエゴだけど。

「お前、羽咲ちゃんのこととなると盲目だからなあ」

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