俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「……見ててわかる?」

「わかるよ。……羽咲ちゃんが生まれて少しした頃かな。うちに、お前の家族と由羽の家族で集まったんだよ。で、お前と由羽の両親が買い出しに出ている間、父さんがいつものごとく母さんとの馴れ初め話はじめたんだ。俺はテキトーに聞き流してて、由羽はぼけーっとしてて、お前は赤ちゃんの羽咲ちゃんにべったり張り付いて離れなかった。母さんがお前の将来心配してた」

………。

玲の記憶は疑えない。なにせ前世の記憶まであるくらいだ。

「……やっぱり俺、そんなんだったんだ」

ちょっと視線が下がってしまう。

自覚したのは最近だったけど、本気でうーが生まれた時から……。

「だよ。由羽とも話してたんだけど、こいつの羽咲ちゃん大事は、本気で兄貴ヅラなのか、惚れてるのに無自覚なのか、って」

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