俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「……無自覚だったわけか」
自分ごとながら、ため息がでてしまう。
僕の無自覚が、周りにもさんざん迷惑かけてきたんだろうなあ……。
玲に軽く睨まれた。
「他人事みたいに言うなよ。結構俺ら、やきもきしてたんだから。特に由羽は兄貴だし。羽咲ちゃんがお前ガチ勢なの、食い止めればいいのか放っておいていいのかとか、かなり苦労してたぞ?」
………。
「……今度由羽と彼女さんをうちのカフェに招待します。勿論俺の奢りです」
「そんくらいしとけ。ん? 由羽、彼女いんの?」
あ、玲も知らなかったか。
「うん。付き合ってるのか微妙らしいんだけど、由羽は本気で好きみたい。由羽と相手が二人でいるところに出くわしたんだけど、下の名前呼んだだけで怒鳴られた」
「そんな晃さんみたいな……。あ、でも巽さんと旭さんは名前で呼んでるか」
「巽さんは特別枠だろ。旭さんはお兄さんだし。玲も尚哉さんみたいになるんじゃないか?」
「やめて。最近本気で俺もそんな気しかしないから、むしろやめて」
「ごめん」
玲が両耳をふさいでまで抗議してきたから素直に謝った。
「……で? 来週はデートなんだっけ? 何というか、お前ららしいわ。そういう分け方するの」