俺のこと好きでしょ？－六花の恋－【完】

「うん。なんかそこに関してはうーが強硬で」

満点一位のご褒美は『お出かけ』、僕がうーを誘ったのは『デート』。

女子ならではの感覚とかなのだろうか。

うーがそこは言い分けしたいと言って譲らなかった。

僕としてはうーと一緒なら呼び方にこだわりはないから、うーの好きなようにしてもらうのが一番いい。

「羽咲ちゃん、お前と一緒ならどこでも喜ぶだろ」

「本当ありがたいことにそうなんだけど、だからこそうーが一番喜ぶことがわからなくて……」

うーは僕が傍にいるだけで死んでしまいそうなこと言う。

うーを喪うことが怖い僕はいちいちびっくりしてノミの心臓になっている。

……なんて情けないことは悟られたくない。そこはあれ、男としての見栄だ。

……うーと二人きりの時間をデートと名乗るのは、来週が初めてだ。

だから、うーが一番喜ぶことをしたい、うーが喜ぶ場所に連れていきたいと思っているんだけど……。

「羽咲ちゃんが喜ぶか……。お前からのプロポーズとか？」