俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「………」
「そんなことあったら羽咲ちゃんびっくりして心臓発作おこすかもなー」
「……プロポーズなんて、それはアリなのか……⁉」
「驚くのが遅い」
驚愕した僕に、玲は冷静にツッコミを入れる。
「それをアリなのか、って考えるってことは、まったく考えらんないってわけじゃないってことか?」
「というか、その算段を頭の中で立てていた」
うーにプロポーズするというシミュレートをしてしまっていた。
「……ほんと?」
「うん。三十通りほど」
肯く僕を見て、玲は長く息を吐いた。
「そこまで考えられるんならさっさと返事してやれよ。なんで付き合わないの?」
………。
「……それは――」
――そのとき、同時にチャイムがなった。