俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「……お前の自己評価の低さの原因は知ってるけど、そこは突き詰めても……」
「あ、そこに負い目を感じてるのはもう終わったんだ。気にしすぎって晃さんに言われた」
晃さんが僕の話を聞いて、答えの一つをくれた。
それをきっかけに、僕の中でどこかしら変わったものがある。
僕の命を、僕が否定するのはやめよう、終わりにしよう、と。
美結や想のことまで考えた答えを出せるほど、僕はまだ出来た人間じゃない。
それでも、僕が僕を否定するのは、終わりだ、と。
「ただ……そういう事例って言うのか……大事な人を喪う現実はすぐ身近にあるって知ってるから、怖くなる。うーに大好きだよって言って一緒にいても、いつかうーを喪うんじゃないかって……」
想に訪れていたかもしれない現実が、また、僕にも……。
玲はしばしの沈黙ののち、ゆっくりと喋った。
「……総真。冷たい言い方に聞こえるかもしれないけど、大事な人を喪わない人生なんて、誰にもありえないよ」