俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「……俺が熱出したって、美結から聞いたとか?」
総真くんが、細い声で訊いてきた。
「うん。昨日電話もらったの」
総真くんのベッドの下に、正座する。
「……美結のやつ……」
悔しそうな声を出す総真くん。総真くん、何かと両親に意地を張りがちだからなあ。
「心配してくれたんだよ。総真くんのことも、私のことも」
「……美結が?」
ちらっと、総真くんの視線がこちらへ向いた。うん、と肯く。
「総真くんが風邪のままで出かけるだろうこととか、それを私が心配するだろうこととか」
「……うーに心配かけちゃ駄目だね」
「それで、このマスク絶対とかね。あと、想さんも美結さんも仕事行かなくちゃいけないって聞いたから、お見舞いにこさせてもらったんだ」
「だいじょーぶだよ。一人には慣れてる」